近年のバレーボールのサーブの主流といえば「フローターサーブ」。
フローターサーブが主流の理由は、コントロールしやすく、比較的狙ったところに打ちやすいという利点があるためでしょう。
種類は変化球、ドライブなど様々で、強弱つけやすく得点に繋がりやすいサーブとも言えます。
しかし、フローターサーブはスパイクを打つようなイメージでサーブを打つため、初心者には相手コートに届かないなど、ハードルが高いようです。
「体育館での練習だけじゃなくて、家で出来る上達法があればいいのに」
「 フローターサーブが相手コートに入らない」
今回は、このような悩みや疑問を持つフローターサーブ初心者の方に向けて、
- 自宅でできる練習方法、上達法
- フローターサーブのやり方
- フローターサーブを効果的に打つコツ
など、攻略のポイントや練習法を詳しく解説していきます。
フローターサーブの精度を上げることで、選手として一歩前進することに。
スパイクを打たなくても得点することができるフローターサーブをぜひマスターしましょう。
まずは自宅でできる練習法から紹介していきます。
自宅で出来る!バレーボールサーブの練習方法・上達法
バレーボール上達の近道はとにかくボールを触ることです。
体育館で実践的な練習にプラス自宅で効果的な練習をすることでライバルに差をつけれるはず。
自宅でできるフローターサーブの練習方法を、7つ紹介します。
- トスアップの練習
- ミート練習
- チューブ
- サービストレーナー
- 壁打ち
- 筋力トレーニング
- ストレッチ
順番に見ていきましょう。
1. トスアップの練習
サーブを打つ前のトスアップの安定はとても重要なもの。
トスアップの練習は自宅でも可能です。
トスをあげる場所はボールをインパクトする場所。
左手で(利き腕が左の人は右手)垂直に短めのトスアップを行い、常に同じところで安定して上げられるように反復練習を行いましょう。
この練習法はボールを落とさない限りは床に響くこともなく、周りに迷惑かけることもありません。
2. ミート練習
手のひらでボールを打つ感覚を身につけるミートの練習です。
この練習は実際に肩をフォロースルーしてボールを打ち込むのではなく、ミートしながら、下から上に手根(手のひらの下)でボールを巻き込むように打ち上げていきます。
しっかりボールをミートしないと上に飛ばすことはできません。
この方法であれば体力の消耗も少なく、集中してミートの練習をすることができます。
注意点は、ボールを上に飛ばすため、天井が低すぎる部屋ではやめたほうが良いでしょう。
3. チューブ
自宅にトレーニング用のチューブがあれば、フォームの確認と同時にフローターサーブで使用する筋肉も鍛えることができます。
トレーニングのやり方は、まず一方のチューブを頑丈なものに固定し、 もう一方は利き腕で。
固定したチューブは、背中側に来るようにしておきます。
フローターサーブのインパクト前、肘を90°に曲げている状態からトレーニングをスタートし、 前方を見据えながらサーブを打ち込むフォームでスイングしながらチューブを伸ばしていきます。
固定したチューブから離れれば離れるほどトレーニングの強度が上がるため、最初のうちは距離は控えめにして緩い強度から始めてみましょう。
4. サービストレーナー
「サービストレーナー」という練習用具を使用する実用性の高い練習方法。
ボールと腰巻ベルトについたゴムが一体化しているため、ある程度広さのある部屋であれば実践的な練習が可能になります。
ツールも安価で、ジュニアからママさん迄、幅広くかなりオススメできる練習法です。
サービストレーナーを使用した練習の仕方は非常にシンプル。
ベルトを腰に巻き、フォームを確認しながらフローターサーブを打っていきます。
ストラップの長さは240 cm あり、打ったボールはバウンドして戻ってくるため、連続で練習していくことが可能です。
1つ注意しておきたいのが「打ち過ぎないこと」。
フローターサーブは体重移動で打ち込んでいきますが、肩、腕へのストレスも大きいため、1度でフローターサーブの練習をやりすぎると肩や腕を痛める可能性も。
初心者の人や筋力が弱めの人は、特に注意が必要です。
5. 壁打ち
体育館以外での練習で1番ベストなのはこの壁打ち。
手のひらのミートの感覚と、コントロールを身につけるための練習です。
自宅で壁打ちはもちろんNG。
出来れば近所の公園などで手のひらの真ん中で前に押し出すように打つ、壁打ちの練習をしてみましょう。
真ん中に印をつけ、中心に当たるようにボールを打ち付けていきます。
真ん中に打てるようになってきたら、次は印を他の部分にもつけ、そこに打ち込んでみましょう。
6. 筋力トレーニング
自宅で1番手軽にできるものが筋力トレーニング。
腕や肩、腹筋、背筋を酷使するバレーボールにはやはり筋力も必要です。
自体重でも効果はしっかり出るため、各10回×3セットを目安にトライしてみましょう。
腕立て伏せ(大胸筋、三角筋、上腕三頭筋)
フローターサーブを打つ上半身の動作全てに関わる筋肉です。
四つん這いの状態から両膝を伸ばし、腕は肩幅より大きめに、脚は腰幅にセットします。
そのまま姿勢をキープしつつ、ダウンの時にお腹が付かないようにアップダウンを繰り返します。
お尻を上げたり、腰を反らさないようにしましょう。
自重スクワット(大腿四頭筋、ハムストリング、大臀筋など)
脚を肩幅に開き、膝が足指よりも前に出ないようにお尻を落としていきます。
下半身の安定はバレーボールに欠かせません。
フローターサーブの場合はボールをミートする瞬間の体幹の安定に繋がります
リストカール(前腕筋群)
ダンベルがあれば低負荷のもので。なければ2 L のペットボトルに水を入れたものを使用します
ダンベルを握った状態から、手のひらを上に向けて巻き込むように持ち上げて行くやり方。
手首のスナップをきかせるのに有効です。
プランク(体幹)
重心移動、ミートの瞬間、フローターサーブは勿論ですが、体幹はそれ以外のバレーボールの全ての動作で使用します。
腕立て伏せの状態で背中と床を平行にし、1分前後を目安に3セット行うようにしましょう。
7. ストレッチ
ストレッチも自宅でできる練習として有効です。
上半身の柔軟性を高めることで可動域が広がり、体重が乗ったサーブを打てるようになります。
肩のストレッチ
右腕前方に伸ばして引き上げ、左腕を外側から引っ掛けて胸に引き寄せる三角筋(肩)のストレッチは肩の可動域を上げてくれます。
バレーボール後のクールダウンにもおすすめ。
手首のストレッチ
手首のスナップをきかせるのに有効なストレッチです。
右手のひらを正面に向け、左手を右手の指先に当てて手前に引きます。
数秒行ったら手の甲を正面に向けて同じ動作を行いましょう。
このようなコツコツとした練習やトレーニングも、基本があってこその話。
では、続いてその基本のフローターサーブのやり方を見ていきましょう。
フローターサーブ基本のやり方・打ち方
基本をしっかりと押さえ、打ち方のルーティーンを覚えることで、ドライブや変化球といった応用にも対応することができ、また、腰痛などの怪我の予防にもつながっていくことに。
その基本であるフローターサーブの打ち方と注意点を解説していきます。
フローターサーブの基本の打ち方
- 右足を少し前に出した状態で左手を前方に肩の延長線上に伸ばし、構えます。
- 前に踏み込み、 トスを真上に上げます。
- 右肘を後方に引き、前の左足に重心移動しながら手のひらてボールの真ん中を前に押し出すように打つ
フローターサーブを打つ時の注意点
エンドラインを超える
サーブを打つときに、ボールをインパクトする前にエンドラインを踏むと反則をとられてしまいます。
インパクトしてからエンドラインを超えるのは大丈夫ですが、インパクト前は NG。
初心者の方は特に見落としがちなので、覚えておきましょう。
緊張しすぎない
サーブを打つ前は誰でも緊張はあるものですが、緊張しすぎると体はスムーズに動いてくれません。
そんな時はリラックスするために一呼吸吐いてから打つようにしてみるといいでしょう。【
【お悩み別】バレーボールサーブ上達のコツ
サーブを打てる様になるにはひたすら練習…!
これも勿論重要ですが、むやみに練習を繰り返してもなかなか上達には繋がりません。
しかし、コツを掴むことで劇的に打ちやすくなります。
フローターサーブが入らない、ドライブをかけたい、変化させたい、など、できない原因とクリアするためのコツを悩みや目的別に解説していきます。
サーブが入らない原因とコツ
初心者の人がサーブ練習で、まず1番につまずくのが「フローターサーブが入らない」ということ。
サーブが入らない、ネットを越えない…、ということの理由として以下4つが考えられます。
1. 筋力不足
エンドライン(コート後方の横線)からボールを片手で投げ入れてみて、相手コートにボールが入れば、おそらくフローターサーブでも入るはず。
入らなかった人は原因の1つに筋力不足が考えられます。
腕、肩、体幹を中心に筋力トレーニングをしてみましょう。
2. トスが不安定
トスが不安定だとサーブは入ったり、入らなかったりと、安定しません。
フローターサーブのトスは高く上げすぎないのがポイント。
うまく相手コートに入った時のトスで毎回打てるように何度も反復練習を。
3. ミートできていない
フローターサーブを打つ時に手のひらの中心で打てていますか?
指の先や手のひらの中心でミートできていないとボールにパワーが伝わらないだけでなく、肩や肘にストレスがかかり痛めてしまう可能性も。
真ん中でミートできるよう、壁に向かって打ち付けるなどの反復練習を行うようにしましょう。
4. 重心移動をしていない
右利きの人の場合、フローターサーブは右足から左足に体重を移動させて打つ、重心の移動を行う打ち方が基本です。
重心の移動なしでスタンディングで打つ事は筋力を非常に使うため、失敗する可能性大。
対策としては、トスをまっすぐに上げ、 前に重心移動させながら打つという練習をまずはイメージトレーニングで行っていきます。
次にボール無しで重心移動からスイングまでを練習し、感覚を覚えられるようにしていきましょう。
ドライブをかけたい人向けのコツ
ドライブをかけるコツは、サーブのトスアップを通常よりも高めにすることと、手首の強めのスナップ。
通常のフローターサーブは重心移動を大きく使うことが重要ですが、ドライブサーブの場合は助走の重心移動ではなく、インパクト時に重心移動を行います。
ミートをする方の肘を大きく引き、もう一方の手は真上にあげ、腹筋、背筋、体幹を使いながらボールを巻き込むようにドライブ回転をかけるようにしましょう。
変化球サーブを打つコツ
フローターサーブは、アンダー、サイドを含め、3種類あるサーブの種類の中で、最も変化球サーブをコントロールをしやすいサーブ。
変化のポイントはボールを無回転にする事。
変化球サーブは空気抵抗により、大きく軌道を変えたり、ストンと落ちるような動きで飛んでくるため、レシーバーからすると落下地点が読みにくくなります。
空気抵抗を増やすには飛行距離を長めにすることが重要で、そのポイントは次の2つ。
1. 打つ方法
1つ目はエンドラインの後方、できるだけ離れたところからサーブを打つということ。
距離があるため強めに打つことになりますが、 逆に強すぎてアウトになる可能性があり、注意が必要です。
もう1つは白帯ギリギリではなく、少し上向きにサーブを打つこと。
長く飛べばその分空気抵抗も増えるため、大きく変化をしやすい、ということになります。
2. 打ち方
サーブのトスに回転がかかってしまうと無回転にはならないため、とにかくトスを無回転にすることがポイント。
まっすぐ、無回転で低めにトスアップをし、前に押し出すように重心移動して手のひらでインパクトします。
変化球サーブは強めのスピードサーブよりもキャッチしづらいので、武器になるのは間違いありません。
練習して是非マスターしてくださいね。
しかしあくまでも、このようなコツは基本を抑えることで成り立ちます。
基本のサーブのフォームを習得してから、変化球などの応用に移っていくようにしましょう。
まとめ
コツを活かしながら練習するのも勿論大事ですが、バレーボール上達に欠かせないものは反復練習。
どんな上手い選手でもボールを触らない日が続くとボール感覚が変わります。
毎日コツコツ練習をし、フローターサーブを是非完成させましょう。