オーバーハンドパスは指先を使用するため、アンダーハンドパスに比べてコントロールしやすく、正確性は高め、というメリットがあります。
しかし、これはバレーボール経験者の人の話。
基本の形が大事なオーバーハンドパスは初心者には少し難易度が高く、
「ボールが飛ばせない…」
「上手くなるための練習法は…?」
このように悩んでいる人も多いようです。
今回は、オーバーハンドパスがうまくできず悩んでいる人に向けて、
- オーバーハンドパスのコツ・ポイント
- オーバーハンドパスのやり方
- オーバーハンドパスの練習法
という内容で、上達するためのヒントを盛り沢山紹介します。
これから紹介していくコツやポイントを抑えることが、オーバーハンドパスの上達の近道に。
では早速、コツ・ポイントから見ていきましょう。
オーバーハンドパスのコツ・ポイント
見た目より意外と難しく感じるオーバーハンドパスですが、コツやポイントを抑えることで初心者の人でも精度の高いトスを上げることが可能です。
オーバーハンドパスの6つのコツ・ポイントを解説していきます。
- 落下地点に早く入る
- 持ち過ぎない
- 下半身を上手く使う
- 返球する方向に体を向ける
- 相手を思いやる気持ち
- 軸を乱さない
順番に見ていきましょう。
1. 落下地点に早く入る
1番のポイントはボールの落下地点に早く入るということ。
オーバーハンドパスは落下地点を計算し、おでこの前でボールをとらえてパスを送ります。
おでこよりも低い位置にボールが来てしまうと、オーバーハンドパスではなくアンダーハンドパスを行わないといけません。
初心者の人はもちろん、スピードバレーを行うチームにはオーバーハンドパスの精度は欠かせません。
落下地点に早く入るということはバレーボールの基本中の基本です。
初心者の人は最初はパスを飛ばすのではなく、ボールをおでこの前でキャッチし、落下地点に早く入ることを優先した練習を行っていくと良いでしょう。
2. 持ち過ぎない
オーバーハンドパスの持ちすぎは NG。
ホールディングという反則を取られてしまいます。
手の中にボールを呼び込んだら手首のスナップを利かせて早めにパスを返す様にすることがコツです。
3. 下半身を上手く使う
下半身を上手く使うことがボールを高く、遠く、正確に飛ばすコツ。
オーバーハンドパスのボールコントロールを手首と腕だけで行うのは非常に難しいです。
どのスポーツにも共通することですが、パフォーマンスの向上には上半身と下半身の連動は欠かせません。
基本の姿勢でもある膝を軽く曲げた少し低めの状態で構えておき、パスの瞬間に曲げている膝を伸ばす事でボールを遠くに飛ばすことが出来ます。
手首や腕だけでなく、下半身も使える様にしていきましょう。
4. 返球する方向に体を向ける
返球する方向に体を向けていくということは非常に重要。
腕だけで体の向いている方向と腕の向きが違うとコントロールはできません。
次にパスをする相手の方向に体全体を向けてから返球するようにしましょう。
5. 相手を思いやる気持ち
相手を思いやる気持ちもオーバーハンドパスを上達させるポイントのひとつ。
バレーボールはチームでボールを繋いでいくスポーツ。
パスを渡す相手が取りやすいボール、また、セッターのトスアップはアタッカーが打ちやすいボールにしてあげる必要があります。
思いやる気持ちを持って練習していく事は上達の近道にもなるのです。
6. 軸を乱さない
体軸を乱さないことも重要なポイント。
オーバーハンドパスを行う時、猫背や反り腰、体の捻じれなど、体軸が安定していない状態で行うとコントロール不能に。
また、無理な体勢により突き指など、最悪怪我につながることも。
何よりも基本の姿勢がベース。
基本姿勢をしっかり取ることが体軸の安定にもつながっていきます。
ここまで紹介した6つのポイント・コツは、あくまで基本があってこそです。
続いて、その基本のやり方を解説していきます。
オーバーハンドパスの基本のやり方
オーバーハンドパスのやり方と、気をつけるべき注意点を解説していきます。
正しいフォームで行うことで、精度の高いコントロールされたパスに。
初心者の人は、この基本のルーティンを何度も繰り返しやってみましょう。
やり方
- 足を肩幅に開き、膝を軽く曲げて体を少し前傾にし、若干前重心の状態でおでこの前に両手をセットします
- 手の形は三角形を人差し指と親指を中心に両手で作っていきます
- 三角形の中にボールを包み込むように入れ、手首を少し反らしながらボールをとらえていきます
- 手首のスナップを利用し、外側に少し捻りながら、肘を伸ばしてボールを押し出していきます。
ボールを離す瞬間は曲げている膝を伸ばし、下半身の力を上手く上半身に伝える様にしましょう。
注意点
- ボールを長く持ちすぎてしまうとホールディングの反則に。ボールを手に呼び込んだら、すぐに離すようにしましょう。
- 長く持ち過ぎない方が良いオーバーハンドパスですが、リリースが早すぎると突き指に繋がる可能性も。また、早いリリースはボールに回転がかかってしまう事もあり、審判によってはドリブル(ダブルコンタクト)を取る場合もあります。手首のスナップで適度にクッションを作ってから、慌てずゆっくりとリリースする様にしましょう。
オーバーハンドパスの練習法
オーバーハンドパスを含め、バレーボールの上達にはとにかくボールを触ること。
テッパンの練習メニューに加え、初心者の人が自宅でもコツコツできる練習方法をご紹介していきます。
壁パス
オーバーハンドパスの基本練習と言えば、壁パス。
壁パスによって得られる効果は絶大です。
基本の形の修徳は勿論、パスの感覚やボールを飛ばすための手首や指の強化を行うことができます。
やり方
- 壁から50 cmほど離れたところに立ち、足を肩幅に開きます。
- おでこの前で三角形を作る、基本の構えをします
- 壁に向かって斜め上にボールを送るように連打していきます
コツは、おでこの前で正確にボールを捉えるということと、手首のしなりです。
慣れてきたら、壁から徐々に体を離し、ボールの強弱を掴む練習もしてみましょう。
円陣パス
円陣パス、略して円パスはオーバーハンドパスの練習としてよく使用されるもの。
パスの精度はもちろん、ボールを落とさないための声出しや、相手を思いやるパスが身に付きます。
自分の上げたボールが次にボールに触れる人にとってキャッチしやすいボールを上げていくという事はボールが落ちにくくなるということに繋がります。
やり方
- 数人で円陣を組みます(人数によりますが、直径5m前後が目安)
- 次にボールを託したい相手の名前を呼びながらオーバーハンドパスを上げていきます
円陣パスは「出来るだけボールを落とさない」ということが重要。
しばらく練習して、ボールが落ちづらくなってきたら、名前を呼ぶのを止めてみます。
さらにボールが落ちなくなったら、円をさらに広げ、遠くへ飛ばすことも意識しながら練習してみましょう。
直上パス
直上パスは自宅でできる練習法。
オーバーハンドパスの指の感覚と、コントロールのスキルアップに最適です。
やり方
おでこの前で基本の三角形の形を作り、オーバーハンドパスで真上にボールを上げていきます。
自宅だと天井があまり高くないため、20 cm から30 ㎝ 程度を目安に上げる練習をすると良いでしょう
まとめ
バレーボールはボールを繋いで相手コートに返すというスポーツですが、思いやりがないとボールは決して繋がりません。
とはいえ反復練習も上達には不可欠です。
この記事で紹介したコツやポイントを参考に、反復練習と相手に対する思いやりを持った練習でどんどんスキルを高めていきましょう。